数字
| 予測 | 出発点 | 今後 |
|---|---|---|
| IEA、世界(2025年4月) | 2024年に415 TWh、世界の電力の約1.5% | 2030年に約945 TWh。2035年は4つのシナリオで700-1,700 TWh |
| LBNL、米国(2024年12月) | 2023年に176 TWh、米国の電力の4.4% | 2028年に325-580 TWh、米国の電力の6.7-12% |
| EPRI、米国(2024年5月) | 2023年に米国の電力の約4% | 2030年に米国の電力の4.6-9.1% |
| 米国の電力会社(Grid Strategies集計、2025年11月) | 2030年までにデータセンターのピーク需要が約90 GW増加。Grid Strategiesは約65 GWの方が現実的と見る |
これらはメール、動画、クラウド保存などを含む全データセンターの数字で、最も速く伸びているのがAIです。1年違いの予測でも2倍以上の差があり、不確実性の大きさがわかります。
株価からギガワットへ
AIに必要な電力を3つの方法で見積もり、あなたが建設可能と考える新規電力と比べます。売上は当サイトの評価モデルから、それ以外はすべて変更できる前提です。 前提
- 株価が示すチップ。NVIDIAとBroadcomの株価が毎年必要とするデータセンター売上をチップに換算し、さらにギガワットに換算します。チップは選んだ年数だけ稼働します。
- AIラボの売上が示す計算量。当モデルでのOpenAIとAnthropicの売上と計算への支出割合を、AI利用者全体に拡大します。
- 利用増から効率化を差し引いたもの。AI利用の伸びから、AI処理1単位あたりの省エネの速さを差し引きます。
売上:
株価が示すチップAIラボの売上が示す計算量利用増から効率化を差し引いたもの使える電力購入済みだが未通電
今日の株価が示すチップを動かすには、世界のAIデータセンターに2030年までに約97 GW、2036年までに174 GWの電力が必要です(現在は30 GW)。 あなたの想定する供給では、最も厳しい2031年に最大17 GW分のチップ(約$628B)が購入されても電力につながりません。
前提を変える
仕組み:毎年購入されるチップ = データセンター売上 / NVIDIAとBroadcomのシェア。追加GW = チップ / 1 GWあたり支出。必要電力 = まだ稼働中のチップ。使える電力 = 現在の電力 + あなたが設定した新規供給(2027年は2030年ペースの60%から始まり2030年に100%。原子力は2030年まで年0.5 GW)。電力線より上のチップは「購入済みだが未通電」。NVIDIAの売上リスク = 未通電チップの年間増加分をその年の1 GWあたり支出で評価し、NVIDIAのシェアを掛けたもの:通電できなければ買い手が先送りする注文です。 当サイトの見解
基準値:NVIDIAは2026年8月、1 GWあたりの売上をGrace Blackwellで約$25B、Vera Rubinで$40B、Hopperで約$18Bと説明。全データセンターの2024年平均は約47 GW(IEA)で、うち現在約30 GWをAIと仮定。OpenAIは2025年末に1.9 GWが稼働していたと述べています。 事実
そこに到達するために必要なこと
標準設定では、市場の見方は2030年まで毎年約17 GWのAIデータセンター電力の追加を必要とします。比較:アマゾンは2025年通年で約3.9 GWを追加、マイクロソフトは四半期に約1 GWを追加、米国最大の送電網PJMの最新オークションで落札された新設・増強容量はわずか525 MWでした。 事実
- 複数の電源を同時に。2030年までにAI向けに年15-20 GWを単独で追加できる電源はありません。ガスタービンは完売、原子力は遅く、太陽光と風力は蓄電が必要、送電網の接続待ちは約5年です。 当サイトの見解
- 接続の迅速化。2026年6月、米国のエネルギー規制当局(FERC)は送電網運営者に、データセンターなど大規模需要の接続ルールを見直すか正当化するよう命じました。テキサス州は手数料を課し、重複申請の開示を義務付けています。 事実
- 柔軟なデータセンター。ピーク時の短時間の削減を受け入れることが、既存の送電網容量を引き出す最速の方法です。 事実
- 需要を減らさない効率化。AI処理1単位が大幅に安くなっても利用が増えなければ、チップ販売は電力とともに減ります。株価は、AI利用が効率化より速く伸び続けることを前提にしています。 当サイトの見解
- 誰かが払う。電力はAIデータセンターのコストのごく一部なので、テック企業は他より高く買えます。その結果コストが家庭や他の企業に転嫁され、政治的な反発を招きます。 当サイトの見解
電力はどこから来るのか?
| 出典 | 利点 | 課題 | コスト |
|---|---|---|---|
| ガスタービンとガス発電所 | 現在最も速く大量に増やせる電源。敷地内でも送電網経由でも可能。2026年7月のPJMオークションで落札された容量の46%がガスでした。 | GE Vernovaは2026年7月時点で116 GWのガスタービン受注・予約を抱え、2030年までほぼ完売。価格は半年で10-20%上昇。 | 1 MWhあたり$48-109(コンバインドサイクル) |
| 原子力の再稼働と出力向上 | 閉鎖した発電所の再開や既存炉の出力向上。テック企業に20年契約で販売。 | 再稼働できるのは数基のみ。Crane(スリーマイル島1号機、835 MW、マイクロソフト向け)は2027年を目指す。 | 1 MWhあたり$141-220(新設) |
| 小型モジュール炉(SMR) | データセンターの隣に置く工場製の原子炉。Google、アマゾンなどが発注。 | 最初の商用炉は2030年頃より前には見込まれず、コストもまだ不明。 | 最初の炉が動くまで不明 |
| 太陽光・風力・蓄電池 | 多くの地域で最も安く、最も早く許可が下りる新規エネルギー。 | 天候次第:昼夜稼働するデータセンターには蓄電池、バックアップ、または送電網が必要。連邦税控除は2025年に縮小。 | 1 MWhあたり$38-78(太陽光)、蓄電池付きで$50-131 |
| 送電網と送電線 | 既存の電力への接続と新しい送電線の建設。 | 接続待ち:2025年に完成した発電所の中央値は、申請から運転開始まで61か月。テキサスのERCOTには474 GWの大規模需要の申請があり、約90%がデータセンターで、ピーク需要の5倍です。 | 全利用者で負担 |
| 柔軟性 | ピーク時に数時間消費を減らすデータセンターは、何年も早く接続できます。 | デューク大学は、時間の0.25-1%の削減を受け入れれば、米国の送電網に76-126 GWの新規需要を追加できると試算。学習は一時停止できるが、チャットや検索は難しい。 | 安いが新しい契約が必要 |
| 計算を移す | 電力に余裕がある場所に建てる:湾岸諸国、北欧、カナダ、そして(いつか)宇宙。 | 輸出規制、遠距離のデータ送信の遅延、政治。軌道上データセンターはSpaceXのページのムーンショットです。 | さまざま |
事実 コストは米国の新設発電所についてのLazardの補助金なしの1 MWhあたりの範囲(2025年6月)。Anthropicは2025年7月、米国のAI産業には2028年までに少なくとも50 GWの新規電力が必要と試算しました。
使用量を減らす:効率化と普及
新世代のチップはワットあたりのAI処理量が大きく増え、ソフトウェアの工夫(小さいモデル、より良いアルゴリズム)でさらに省エネになります。しかしAIが安くなるたびに、人や企業はもっと使います。これがジェボンズのパラドックスです。総電力消費が増えるか減るかは、利用と効率のどちらが速く伸びるかで決まります。上の「効率化サプライズ」と「需要減速」ボタンで試してください。 当サイトの見解
普及の仕方は効率と同じくらい重要です。チャットの回答1件の電力は小さいですが、何時間も働くAIエージェント、動画生成、推論モデルはタスクあたり何倍も使います。チャットからエージェントへの移行は、利用者数が増えなくても需要を何倍にもし得ます。 当サイトの見解
未通電GPU:差し込む先のないチップ
チップが電力より速く届くと、倉庫や未完成の建物、電源の入っていないラックで待つことになります。これはすでに起きています。
- マイクロソフト(2025年11月)。サティア・ナデラCEOは、最大の問題は計算の過剰ではなく電力であり、通電できないチップが「在庫として眠っている」と述べました。 事実
- アマゾン(2026年10月)。Business Insiderによると、AWSは拠点で電力を供給できる前にNVIDIA GB300ラックを引き取っており、8月時点で約$5B分のラックが米国の倉庫にあり、毎月さらに約$3Bが見込まれていました。アマゾンは拠点近くでの機器の準備は最善の慣行だとしています。 事実
- サンタクララ(2025年)。NVIDIAの本拠地で完成した計約100 MWのデータセンター2棟が、市の送電網が供給できず稼働していないと報じられました。 事実
- 容量は売り切れ。アマゾンはAWSの電力不足が2027年まで続くとし、数百メガワットから1 GWの容量をかなり前から確保しています。マイクロソフトも容量制約が続いていると述べています。 事実
NVIDIAにとっての意味
売上は出荷時に計上される
NVIDIAは納品時に売上を計上するため、倉庫で待つラックも売上に含まれます。リスクが表れるのは後で、買い手が通電できない機器を抱えすぎたときに注文が減ったり先送りされたりします。 当サイトの見解
市場の上限を決めるのはお金ではなく電力
毎年接続できるギガワット数が限られるなら、NVIDIAの成長はギガワット数×ギガワットあたり売上で頭打ちになります。だからNVIDIAはGWあたり売上を強調します:Hopperで$18B、Grace Blackwellで$25B、Vera Rubinで$40B。 事実
電力不足では最高のチップが勝つ
電力予算が固定なら、ワットあたりの処理量が最も多いチップが最も稼ぎます。これはNVIDIAの最新チップの価格を支えますが、古いチップの価値を早く下げます。 当サイトの見解
NVIDIAはいまや電力ビジネスにも関与
電力プロジェクトが遅れれば、これらの保証によってNVIDIAは顧客の問題と結びつきます。 事実
注目すべきシグナル: NVIDIAの売掛金と在庫、顧客の「建設仮勘定」(まだ稼働していない建物)、決算説明会でのクラウド容量に関する発言、ガスタービンと変圧器の納期、PJMとERCOTのオークション結果、AIチップのレンタル価格。
電気代は誰が払う?
テック企業にとって電力はチップに比べて安価です。標準設定では1 GWの1年分の電気代は約$1B、チップは約$30Bです。そのためAIの買い手は希少な電力を誰よりも高く買えます。 前提
2028年半ばから2029年半ばを対象とするPJMのオークションは上限価格の1 MW日あたり$325で決まり、それでも信頼度目標に6.8 GW届きませんでした。上限がなければ約$555だったとされます。市場監視機関は総コスト$16.4Bのうち$6.3B(38%)をデータセンターによるものとしています。これらのコストは13州の家庭の電気料金に反映されます。 事実
用語集:電力のことば
- ワット、メガワット(MW)、ギガワット(GW)
- 電力:ある瞬間に何かが使う電気の量。1 GWは10億ワットで、大型発電所1基ほど。AIキャンパスは今や1か所1-5 GWで計画されています。
- ワット時、テラワット時(TWh)
- 電力量:時間をかけて使った電力。1 GWを1年中使うと8.76 TWh。米国は年約4,000-4,500 TWhを使います。
- ITの負荷と施設全体の電力
- IT負荷はチップとサーバーが使う電力。施設電力には冷却と損失が加わります。その比率はPUEと呼ばれ、新しいAI施設では約1.1-1.4です。
- 接続待ちの列
- 発電所や大口需要家を送電網につなぐための順番待ちリスト。ほとんどの申請は実際には建設されません。
- 容量オークション
- PJMなどの送電網運営者が、ピーク時に発電可能であることに対して発電所に支払う仕組み。高値は不足のサインで、そのコストは全員の電気代に乗ります。
- ビハインド・ザ・メーター
- 敷地内で作り(多くはガスタービン)直接使う電力。送電網への接続を待つ必要がありません。
- 未通電GPU(ダークGPU)
- 購入・納品されたのに動いていないAIチップ。たいていは建物にまだ電力や冷却がないためです。
- ワットあたり性能、ワットあたりトークン
- 電力1単位あたりにチップがこなすAI処理量。電力がボトルネックなら、データセンターが稼げる売上はこれで決まります。
- ジェボンズのパラドックス
- 何かが効率的で安くなると、使用量が大幅に増えて総消費がかえって増えることがよくあります。
よくある質問
AIはどれだけ電力を使う?
IEAによると、2024年に全データセンターが使った電力は約415 TWhで世界の電力の約1.5%、その中で最も速く伸びているのがAIサーバーです。当モデルでは、現在のAIデータセンターを約30 GW、想定稼働率で年約200 TWhと仮定しています。
2030年までにAIはどれだけ電力が必要?
予測の幅は大きいです。IEAの基本シナリオでは全データセンターで2030年に約945 TWh、米国の電力会社は2030年までにデータセンター向けで約90 GWの新規需要を予想しています。当モデルは今日のAI株価を、2030年に世界のAIデータセンターで約97 GWの電力に換算します。
「未通電GPU」とは?
購入されたのに、データセンターに電力や冷却がまだ無いため動いていないAIチップです。マイクロソフトのCEOは2025年11月、通電できないチップが「在庫として眠っている」と述べ、2026年10月にはBusiness Insiderが、アマゾンが数十億ドル分のNVIDIAラックを倉庫に保管して電力待ちだと報じました。
電力はNVIDIAにとってリスク?
予算に関係なく、顧客が毎年設置できるチップの数は電力で決まります。通電できないチップが積み上がれば注文は先送りされます。また買い手はワットあたりの処理量が最も多いチップを選ぶようになり、今のところNVIDIAの最新製品に有利です。上の未通電チップの節をご覧ください。
数字の裏にある企業を評価する: NVIDIA · Broadcom · OpenAI · Anthropic · CoreWeave · Oracle · Microsoft · Amazon · Alphabet · AIはバブルか?
出典
- IEA: Energy and AI (April 2025)
- IEA: Electricity Mid-Year Update 2026 (July 2026)
- LBNL: 2024 United States Data Center Energy Usage Report (Dec 2024)
- LBNL: Queued Up, 2026 edition (June 2026)
- EPRI: Powering Intelligence (May 2024)
- Grid Strategies: National Load Growth Report (Nov 2025)
- Utility Dive: PJM 2028/29 capacity auction hits the price cap, reserve shortfall grows (July 2026)
- Texas Governor's review of data centres seeking ERCOT connection (Aug 2026), via Butler Snow
- Turbomachinery: GE Vernova gas turbine backlog hits 116 GW (23 July 2026)
- World Nuclear News: Constellation seeks help for 2027 Crane restart (2026)
- Duke University Nicholas Institute: Rethinking Load Growth (Feb 2025)
- Lazard: Levelized Cost of Energy+ (June 2025)
- NVIDIA Q2 fiscal 2027 results and call (26 Aug 2026): revenue per gigawatt
- Magica: what NVIDIA's $40 billion per gigawatt claim means (Aug 2026)
- DCD: Microsoft has AI GPUs "sitting in inventory" for lack of power (Nov 2025)
- Business Insider via American Bazaar: Amazon's Nvidia servers wait in warehouses for power (Oct 2026)
- Tom's Hardware (Bloomberg): Santa Clara data centres sit idle waiting for power
- DCD: OpenAI says it has secured 10 GW of capacity (2026)
- DCD: Microsoft brings 1 GW of capacity online in a quarter, again (July 2026)
- Amazon Q3 2026 results (29 Oct 2026)
- Anthropic: Build AI in America (July 2025)
- FERC orders on large-load interconnection (18 June 2026); NVIDIA 10-Q for the quarter to 26 July 2026 (guarantees); Amazon Q2 2026 call (power short through 2027); Microsoft FY2026 Q4 call (capacity constrained).
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